本の畑

えっちらおっちら耕す、本やら何やらの畑。情報は芋蔓のように地下でつながっている。たぶん

オーニソガラムが道端で咲いているはずはない*ハタケニラ畑韮 

5月のある日、ボランティアらしきグループが
花殻や枯れ葉をていねいに取り除く等の手入れを熱心に行っていた、
都内某公園で見つけた白い花。長く伸びた茎を中心に、
飛び散るような形に花が付いていて(散形花序)、
なかなかかわゆいです。

オーニソガラムに似ている。
「これだけ人手がかかっている公園だから(ところどころに雑草が生えているにしても)、
植栽の縁にどなたかが植えたんだわね〜」と
写真を1枚撮って通り過ぎました。

とことこ道を歩きながら、なんかおかしいな〜と感じはじめたのは、
その花が公園の外の歩道際でも咲いていたから。
オーニソガラムは確か球根だったよね。
わざわざこんな土を掘り返すのが難しい歩道なんかに植えないです。
隣には薮化したササもあるし。あれ〜。

で、さらに歩くと、
廃屋かもしれない古いお宅の側面に群生を作っている。
ますますおかしい。

決定打は歩道橋の下。
一株だけぽつんと咲いているのを見つけ、
「これはオーニソガラムであるはずはない」
と確信しました。
アスファルトの小さな割れ目に、わざわざ球根を植えんでしょう。
というか、植えるの無理だわ。
とすれば、こぼれ種が落ちて、
たくましく育ったと考えるのが順当でありましょう。

帰宅後、
「ニラ(ユリ科ニラ属)の仲間じゃないか」と当たりを付け、
いつもお世話になっている岡山理科大学<植物雑学事典>の
ユリ科のページを眺めてみた。
ハナニラとノビル(食べられる!)が似ているんだけど、
どちらも草丈が低く、違うんだな。

なんとなく園芸種だと思い込んでいましたが、
雑草の方向で考え直すことにして、「ニラ 雑草」で検索。
したら「ハタケニラ(リンクは wiki )」というのがありました。これだわよ。

種と鱗茎で増えるため、爆発的に繁殖するらしい。
かわいい外見なのに、「強害草」に分類される厄介者なんだって。あれま〜。

原産は北アメリカ。明治中期に園芸用として持ち込まれ、
いつしか野生化したみたい。
詳しくは<国立環境研究所 侵入生物データベース>内の
ハタケニラの項をどうぞ。

どうでもいいことなんですけどね。ハタケニラって名前はどうでしょうね。
畑にニラがあってもおかしくないわ。
畑のニラと聞いて、
スーパーで売ってるニラが思い浮かぶのは私だけでしょうか(笑)。
ここは別名のステゴビルの方が適当だったりして。