本の畑

えっちらおっちら耕す、本やら何やらの畑。情報は芋蔓のように地下でつながっている。たぶん

2004-11-01から1ヶ月間の記事一覧

芋づる桜井亜美*神曲

桜井亜美「神曲」幻冬舎文庫、読了。 本屋さんに新刊が出ていると、ついつい買ってしまうんですね〜。「好きな作家なんですか」と聞かれて、 ストレートに「はいっ」と答えられるわけではないんですが、 「イノセントワールド」以来、ずっと気になってます。…

パセティックな恋愛小説*水草の部屋

昨日の勢いのまま、再び刈米義雄。 本棚の中の「水草の部屋」河出書房新社を引っ張り出して再読。 やっぱり上手だな〜。 お花が本業なのに、こんなに筆が立つなんて、 うらやましいというか不公平というか(笑)。 水草の部屋

愉快なドライブ感*原宿エクスプレス

刈米義雄「原宿エクスプレス」河出書房新社、読了。 著者の刈米氏は古流を離れ、 「花塾」を主宰しながら流派にとらわれない花を追求する方。インテリア雑誌を編集していたころ、少し存じ上げていたこともあって、 エッセイやインタビュー等をお見かけするた…

タガメの謎*取り替え子

大江健三郎「取り替え子(チェンジリング)」講談社文庫、読了。 最初のページに「田亀を書棚に戻して」というフレーズが出てきて、 「え、なんでカメを本棚に入れるの」と疑問だらけに(笑)。読み進むうちに、田亀はタガメのことで、 ゲンゴロウやミズスマ…

冬の部屋*余白の愛

小川洋子「余白の愛」中公文庫、読了。 外はキンキンに寒いのに、部屋の中は十分に暖かくて、 ガラス窓が白く曇っている…。 それを外から眺めているみたいな感じの、 温かさと冷たさが共存した静かな作品。当たり。