本の畑

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猫が腎臓病でダウンした その1


友人知人はみんな知っているので、今さらいうほどのことはないと思うのですが、私は真性の猫ばかです。猫のことになると常識が吹っ飛んでしまいます。一般の方がどん引きしてしまうかも、という可能性を考えぬわけではありませんので、普段はひかえめーに(ホントか・笑)行動しておりますけど、時折ばか全開になります。

この春、久しぶりに猫用回路が、全開になりました。ツイートしたり、FB に画像を載っけたりしてたので、「ああ、あれね」とみなさんご想像がつくんじゃないかな。わが家の1号こと、メグが突然、腎不全でダウンしたんです。

異常に気がついたのは、メグの11歳の誕生日(4月25日)の前夜でした。「あれ〜、なんか異様によだれを流してない? どした??」。ダンナと顔を見合わせ、翌日、朝一で病院に連れて行くことに。

明けて翌日、「さ、病院に行くべ」とメグの姿を探したところ、とことこ部屋の中を歩いているものの、よだれの量が昨夜より増え、口の端から小さな泡を吹いているじゃないですか。わわわわ。「これは尋常じゃない」と即座に分かり、ショックで息が詰まりました。



各種の検査をしてもらったところ、かなりシリアスな腎不全で、数値的にはいつ痙攣が起きてもおかしくない状態であることが判明。

「急に悪くなったのは、輸尿管に詰まっている結石の影響かもしれない」という診断でした(レントゲンに石らしき影が写っていたよ〜・涙)。口からよだれを流しているのは、腎不全の猫が併発しやすい口内炎が悪化しているためなんだそうです。

腎不全が進行すると、体に水分をキープできなくなり、脱水状態になります。脱水を緩和するための輸液(点滴)をはじめ、抗炎症剤やらなんやら(動転してあまり良く覚えていない…)をミックスしてもらい、処置が済んだところで、その日は帰宅。


翌日から3日間(4/26~28)は朝病院へ連れて行って、夜迎えにいく形で「入院」し、ラインを入れた前脚から水分や薬剤を投与。祈るような気持ちで経過を見守ったです。

が、現実は甘くなかった。手は尽くしているのに、どんどん辛そうになってくる。流すよだれには薄く血が混じってピンク色に。口内炎で口が痛いのか、ごく少量しか食べないし、水も飲まない。キャットタワーの下段の穴から中にもぐって、出てこなくなりました。

メグは超びびり。世の中には怖いものがたくさんあり、獣医さんに行くだけでも相当辛いだろうと思われました。診察台の上では、心臓ばくばく(軽く体を押さえていると鼓動が伝わってくる)、尻尾はお腹の下に巻いて「勘弁してください」という風情になります。

若い女子の獣医さんには、「ほかの臓器には影響が出ておらず、腎臓だけが悪い。ご自宅で輸液することで普通に生活できるようになる子もいますから、輸液してみてはどうですか。諦めるのはまだ早いです」と真剣な目で訴えられました。



画像左は状態がシリアスだった最初の1カ月付けていたノート。右は安定しはじめてから使いだしたカレンダー。台所の壁に貼っていたカレンダーに、輸液量、のませた薬、うんちとおしっこ、吐いたものなどを記入。「今日、活性炭のませたっけか」みたいに記憶があやしい時、すぐに確認できて便利です
医学的なハナシをすごーく大雑把にかいつまみますと、ご先祖が砂漠で暮らしていた猫属は、ごく少量の水でも生きていけるように水をリサイクルしながら使うような体の作りを発達させ、他の生物に比べて尿の濃縮度が高い傾向にある。この濃縮ってとこがくせ者で、少ない水でも生きていけるものの、老廃物で腎機能が損なわれやすく、猫は年齢とともに腎不全になるケースが多いんす。

短命だったころは、この弱点があらわになりにくかったけど、生活環境や栄養状態の向上によって寿命が延びるにつれ、腎臓に負担のかかりやすい体の作り(弱点)が際立つようになったのかもしれんですね。

輸液(点滴)は体内の水分量を増やすことで、尿が濃くなることを抑え、腎臓を守るために行うもの。メグがダウンした当初は、「家で点滴しなければ生き続けられないっていうのは、どうなんだろう」と思い、できるだけ怖い思いをさせないように注意しながら、点滴はしないで暮らさせようって話してました。猫に注射針を刺すなんて、こ、怖すぎるよ。



こんな感じで、5月の連休中は数日おきに通院してました。心配のあまり猫タワーの側にクッションを並べ、仮眠をとっていたのは私です。ダンナが起きてきたら、見守りをバトンタッチして、ベッドへ。うちはふたりとも家で仕事をしているので、こんなことができます。ニンゲンがへとへとになっても、猫のためになることは何もないです。我ながらばかだと思いますが、そうせずにはいられなかった。疲れましたわ(汗)。

そうこうしているうちに、おしっことうんちを何回かに1回かは「このまま漏らしちゃいますか」みたいな状態に陥ったメグ。よろよろしながらもトイレだけはきちんと使っていたのに、それが危うくなってきた…。まずい。食べる量もティースプーンで1匙程度だったり。ますまずまずいです。

家で輸液することにはまだ抵抗がありましたが、ネットで「猫の腎不全」について調べ、YouTube で輸液の様子の動画(なんといっぱいあるのだよ)を検索。一般論として「猫が腎臓を悪くしちゃうのは仕方のないこと」と理解していても、メグの命がこのまま消えてしまうのには耐えられなかった。「輸液、やってみよう」と思いました。

*関連情報*

  • 猫ばか仲間の友人が教えてくれた王様館

 闘病記のサイトと思いきや、猫の腎不全に関する超充実のサイト。ほんとうに勉強になります。

 腎臓にトラブルがあっても元気に暮らせる実例を見て、「寿命か…」と諦めるのは早いかもと考え直したサイト。

 猫の命は、飼い主の判断で長くも短くもなる。手を離す(治療をやめる)と、命が消えるという状態はほんとに辛いです。All About の記事にあった、「どんな選択肢を取ったとしても必ず後悔が残ります。あの時のああしていれば、こうしなければもっと違ったんじゃないかと後悔するのが当然なのです。」という記述を読んで、すごく救われました。