野生化に向かうヒメツルソバ
今日も先だって撮った、草の花。
商店街が住宅地に変わり始めるエリアの、古いビルの壁際に咲いてました。
球状の紫がかったピンクの花は、
アカツメクサ(レッドクローバー)とかレンゲを思わせるですね。
が、しかし、葉っぱは多肉植物まではいかないけど、やや厚みがあります。
褐色がかった斑まで入ってるところなんて、観葉植物ちっくに見える。
この花何? 知らないぞ。
家に帰って雑草に関する本を調べ、2冊目で見つけました。
ヒメツルソバという外来種で、
「観賞用に導入されたが野生化し、街なかの空き地、道ばたなどに増えている」(p22)
だそうです。
新鮮なビジュアルの美しい品種を求めるのが園芸の世界でありますが、
これに伴なって、生命力の旺盛な渡来種が野生化し
昔からの日本の在来種を駆逐するようなことも、しばしば起こるですね。
昨日紹介したシロツメクサ(クローバー)も、
さかのぼれば江戸時代後期に渡来したものだし。
有名なところではタンポポかな。
関東地方の在来種であるカントウタンポポが、
セイヨウタンポポの勢いに押されて
少数派になりつつあることは知ってたんですが、
実際は両者が交雑した新しいタンポポが増えているんだそうです。
街中の植物についての著書がたくさんある、
上條滝子さんと取材でご一緒した時、教えていただきましたわ。
生産拠点を海外に移転しグローバル化に注力するとか、
原稿には何度も書いた気がするものの(笑)、
リアルなグローバル化は身近な足元で進んでいたりして。
雨や風に洗われてシャビーになりつつあるビルの壁に、
この花、妙に映えてませんかね。
*追記*
ヒメツルソバの葉っぱは観葉植物ちっくですが、
多肉質ではありませんでしたよ。
denden416さんからご指摘をいただき、
ありゃ〜と思って実際に手を葉に伸ばしてみたら、なんとまあ…(笑)。
denden416さん、ありがとうございます。