本の畑

えっちらおっちら耕す、本やら何やらの畑。情報は芋蔓のように地下でつながっている。たぶん

塩竈のなまどら復活* 宮城野 榮太楼

長年いっしょに仕事をしてきたライターの三田村蕗子おねーさま(敬称)から、
数日前ぽろんと荷物着。クール便だったので「何かな〜」と開けてみたら、
なんと非常にんまそうな箱詰めのどら焼きが出現。あら〜、大変だわ〜。
なにが大変なのか自分でも分かりませんが、大変だ(笑)。

宮城県塩竈(釜)市の菓匠 榮太楼の製品なり。さっそく食べてみました。
っていうか、ものもいわずにいきなり食らいはじめたといった方が正確でしょう。
「なまどら」はみなさんご存知のとおり、
どら焼きの皮の中にクリームと餡を混ぜたフィリングが挟まれている、あれです。

初めて食べたのはいつだったかなあ。
以前住んでいた町の駅前にドイツ語の名前を冠したお菓子屋さんがありまして、
そこの名物だったんです。「何これ、おいしいじゃん」と思った記憶があります。
川崎市の洋菓子店が、なぜどら焼きを手がけるようになったかは不明。
この点には、突っ込まずにお願いします。へへ。


榮太楼のウェブサイトを見にいったところ、なまどらは同店の看板商品の模様。
食べてみて感心したのは、中身がおいしいのは無論なんだけど、
皮がんまいのよ、皮が。

微妙に焼き過ぎの方に踏み込んだ、焼き具合といいますかね。
おそらく糖分(蜂蜜がたっぷり入っているらしい)が焦げているんだろうと思いますが、
わずかにカラメル感が加わっててすごくおいしい。
もちろんたまたま焦げたんじゃなくて、すべてこの焼き具合が保たれてます。



三田村おねーさまは長らく製菓業界を自身のテーマにされてますんで、
間違いなくおいしいものを送ってくれるんです。はい、口福ものです、わし。
「んまいぜ、これ」と連絡したところ、
住所からも分かるとおり榮太楼さんは震災で大きな被害を受け工場がストップ。

「ものすごーくまじめに丁寧に作っている好印象のお店だったんで(お菓子もおいしいし)、
少しでも応援したいなーと思った次第」ということです。

ビジネス・経済系の取材だと、基本的にお商売の話を聞いて記事をまとめるですね。
グルメ系の情報記事ではないので、おいしさに関する話はあまり掘り下げない。
しかしですね、なんぼ事業に関する話を書くといっても、
そもそも成功したメーカーさんが作っているものが、まずいはずはないんだわ。

仕事をしていると、書かなかったおいしさに関する経験と感動みたいなものが蓄積されるんだな。
三田村さんが、なまどらを送ってくれたのは、
このお菓子には伝えたい何かがある、ということだと思うんだ。
わしもそう感じたので、微力すぎるけど書いておく〜。

実は去年もサツマイモを使った九州のおいしいお菓子をいただいたのだ。
しかし、書く前に胃の腑に収まってしまったという。
今年は完食する前になんとかできたよ。ほっ(笑)。


宮城県塩釜市本町2-16  022-362-0235
なまどらはwebでも購入できます。URLが「なまどらコム」だって。かわゆいのう。