本の畑

えっちらおっちら耕す、本やら何やらの畑。情報は芋蔓のように地下でつながっている。たぶん

照明デザイナーとコラボしたライヒのテヒリーム


9.11から10年の節目の前夜、BSでスティーブ・ライヒ世界初演作品「WTC 9/11」を観ました。
人が話す声の音程を引用(?)しながら音楽を組み立ててゆく、という点では、
『ディファレント・トレインズ』Different Trains (1988年)の延長線上にある作品なのかな。
演奏したクロノス・カルテットのメンバーのインタビューなども挿入されていて
(弾き方のコツを掴むまで大変だった…みたいなエピソードなどおもろかったなり)、
見応えのある番組でしたわ。観て良かったよ。

もんのすごく大金持ちだったら、私はライヒの追っかけをしたいの。
世界各国を飛び回るのだ。素敵だろうなあ。シアワセだろうなあ。妄想なう(笑)。

初演作品の興奮がさめやらないまま、YouTube を検索していて見つけたのが
上に貼付けた『テヒリーム』Tehillim (1981年)の動画。
今年(2011年)3月31日にアムステルダムで開かれた
「 World Minimal Music Festival 」と題されたコンサートの一部で、
演奏は気鋭の若手音楽集団であるASKO(シェーンベルク)・アンサンブル。
指揮はクラーク・ランデル(どんな人なのかな)さん。

見所は、ホールの壁(LED付き)を利用した、テヒリームのためのイルミネーション。
テクノが鳴り響くクラブじゃないのに、ライヒと照明がコラボ。
やりたくなる気持ちは分かる。音楽だけなら、DJ君たちがリミックスしたアルバムがあるし。
しかし、現実にコンサートホールが、かなり上品な仕上がりにしてもクラブ化するとは。
すごいなあ。身を置きたかったなあ。

動画を投稿したCarelKuitenbrouwerさんは、この照明を手がけたデザイナーらしく、
フラッシュアニメとビデオを使って色彩を変化させ、
音楽との同調を図ったみたいなことを説明欄に書いています。
(すまん。私、英語まずいので詳しくはご本人のコメントをお読みくださいまし)

動画は照明を記録するために撮られたものだと思うので、残念ながら音質は良くない。
でも、それを差し引いても、かなりいい演奏だと思うな。陶酔的な高揚感が漂ってます。
特に打たれたのは、伸びやかにヘブライ語詩篇を歌う女声コーラス。
好きな方なら、ぜったい一緒に歌いたくなると思う。
私の場合は、一オクターブ下をもそもそなぞることしかできないのが
当然とはいえ悲しいです(笑)。

この日のコンサートについてもっと知りたくてググったら、
なんと現地で聴き、ブログに記事を書かれてる方を発見しました。
内容、かなり素晴らしかったようです。やっぱりね。
演奏が終わった後、聴衆が立ち上がってスタンディング・オベーションしはじめるんですが、
この時、ステージに現れたのがライヒさん。
YouTubeではよく見えなかったけど、上のHemlock さんの記事で確認できました。