本の畑

えっちらおっちら耕す、本やら何やらの畑。情報は芋蔓のように地下でつながっている。たぶん

ああパンダ・キーホルダー*西の魔女が死んだ


リサ・ラーソンが手がけたパンダのキーホルダーが欲しい一心で、
駅前の本屋さんに突撃し「新潮文庫の100冊」の帯が付いた本を、
あまり考え込まずにかなりテキトーに何冊か引き抜き買ってきました。
そういえば、去年のキャンペーンはパンダ柄のバンダナ。今年はキーホルダーだ。
たぶん使わないと思うんだけど、欲しいものは欲しいの、毎年。もほほ。

1冊目は梨木香歩西の魔女が死んだ』。
TSUTAYA に行くたびタイトルが目に入ってくるDVDと、同じタイトル。
原作なのでありましょう。

この作者の本は初めて読むので全く知識がなかったんですが、
こども用の本だったようですわ。
普通の小説だと思って読みはじめたので、冒頭にこんなシーンが出てきて戸惑うことに。


  • 何でこんな言われ方をしなければならない? 黙って人のうちに入ってきて、「おまえはだれだ」ってどういうこと? 何であんなに威張っているの? p27


あわわ。このクエスチョンマークの連打はなんでしょう。
さっきまでうきうきしていた主人公が、突然怒りながらこの独白。
あわてて(笑)wiki梨木香歩を検索してみたところ、まじ児童文学だったのね。なるほど。

なぜこども向けであることを確認したかといいますと、私、恥ずかしながら
児童文学なるものは、可能な限り避けて通ってきたんです。
小学生のころなんか読書感想文を書くため、
「読むべし」と指定された本を前にどんなに難渋したことか。

当時は幼く、違和感を説明する言葉がなかったのですが、
「何か事件が起こる」→「それに対する感情があっさり説明される」→
「また事件が起こる」→「それに対する感情がまたもやあっさり説明される」
という繰り返しについてゆけなかった。

すごいスピードで色が変わる信号機を、
脇でぼ〜っと見ているような気分になったといいますか。
さっきまで笑っていたのに恐怖で青くなったり、恥ずかしさで赤くなったり。
何が面白いのかさっぱり分からない。
ま、今なら感情移入できなかった、と簡単に言い表せるんですが。

なのでお話を読んだ後に、
「すごいと思いました」とか「感動しました」「悲しかったです」
みたいには書けないんだなあ。
「それを書いてどうなるのだ」とぐるぐる考え、
考えすぎて書くことがなくなったりする。いやはや。ヘンな苦労をしたたわい(笑)。

その後、ライター業を生業にするのですから、ジンセー不思議ですな。
なので読書感想文の宿題に難渋している若い方には、
今は書けなくても、つるっと書ける日がやってきたりしますので、
どうか悲観せんようにといいたいです。ちなみに私の転機になったのは、
扇谷正造現代文の書き方―12の心得 (講談社現代新書 )』。
これを読んで読者を想定するということを覚え、書けるようになりました。

で、『西の魔女…』に戻りますと、
ミントとローズマリーの浸出液を畑の虫除けに使ったり、
バラとニンニクを一緒に植える(companion palants)とバラが元気に育つ等々、
植物に関する蘊蓄がいろいろ出てくるとこが楽しかったです。
今度は大人向けの本を読んでみようと思いますわ。
ただし、アマゾンのレビューは、すごく評価が高いなり(大人の)。
見てびっくりしたです。はあ〜、私ずれてる。