本の畑

えっちらおっちら耕す、本やら何やらの畑。情報は芋蔓のように地下でつながっている。たぶん

趣味のいい園芸本*ワンダフルプランツブック


ずいぶん前に買った庭関係の本を2冊ほど続けましたんで、
ついでにこれもいってみようかと思います。
1998年にメディアファクトリーから刊行された「ワンダフルプランツブック」。
」と「」があり、1は観葉植物、
2はサボテンや多肉植物等のヘンなフォルムの植物が集められてます。

インテリア性を考慮してある、といっちゃうと
なんのこっちゃいという感じですが、
室内もしくはベランダに置いて楽しむ鉢物を絞り込んで紹介した実用本。
ただし、実用に徹した内容にもかかわらず、
ビジュアルとデザインは凝ってて、持ってるのが楽しくなるような仕上がり。


選ばれている植物の品種はもちろん、植木鉢のデザインや植え込み方、
写真の背景、イラスト、ページのレイアウト等々の細部まで、
趣味の良い目配りが行き渡ってますわ。
植え替えの手順や毎月の作業を示すイラストも、
単純は図や表じゃなくて、おされな手書き。
ピントが合ってなくて恐縮ですが、右が解説イラスト。



デレク・ジャーマンの庭について書こうと思って
「参考になるかも…」
多肉植物に詳しい「ワンダフルプランツブック2
を本棚から出してきたんですが、
久しぶりに見ても水準が高いな〜と思います。
私が記憶する限り、この本以前に、こういう方針で作ったものは見たことない。


ちなみにスタッフは、
テキスト:グリーンホーンズこと山本順三と藤川史雄
写真  :なかむらゆみ
イラスト:矢澤のぶこ
編集  :Edit + Write と水野智恵
と大人数ですね。手間、時間、経費をかけた、贅沢な本かもしれない。
雑誌の連載をまとめたとか?? 

何事にもシブい今のご時世じゃ、こういう本はなかなか作れない気がするなあ。
あ、でも、本が出た98年より、格段にデジタル技術が進歩してますので、
個人でこういう作業をする人が出てくる可能性はあるな。

アロエの種類や育て方を知りたいと思ったら、
ちょっと検索すればだいたいのことは分かりますわな。
実用性だけでいえば、web上の膨大な情報をうろつけば十分に用が足りる。
で、そんな中でも買いたくなる本って、どんなのかな〜と考えると
(小説とかじゃなく、実用的なビジュアル本の類いのことね)、
この本ってひとつの道筋を示しているように思うんだな。

情報を絞り込んで、分かりやすく整理し、内容を引き立てるデザインを施す。
ってことは、編集者の腕次第ってことになるか。

*芋蔓本*


今、普通に買える多肉系の実用本では、これが気になる。
タイトルが「……」。こっぱずかしいのは私だけですか(笑)。