本の畑

えっちらおっちら耕す、本やら何やらの畑。情報は芋蔓のように地下でつながっている。たぶん

村上春樹のインタビュー*考える人


新刊情報に疎いので、友だちに教えてもらうことが多いと書いたんですが、
新潮社の『考える人 2010年夏号』も悪友ヤマヤから聞いてゲット。
みなさんご存知だと思うんですけど、
巻頭の写真を含めると13から101頁までの約90ページに、
村上春樹のインタビューが延々と掲載されてます。

同誌の編集長を務めていた松家仁之氏が、
3日間にわたって村上春樹に『1Q84』のことをはじめ、
小説を書くこと、翻訳をすること、読書や少年時代のエピソードなどについて聞き、
すんごいボリュームのテキストを仕上げられたようです。

村上春樹はマスコミ嫌い(?)として有名なのかな。
気軽にインタビューに出てくるって感じじゃないですよね。

  • ——朝4時ぐらいに起きて机に向かって小説を書いて、ほかには一切なにも書きません。エッセイも書かない。翻訳だけは、気分転換のために一日一時間なり二時間なりやるけれど、それ以外の仕事は何もしないという方針でやっています。頭がもう完全に「長編小説脳」になってるんです。p56

書きはじめると、他のことをやっていられないっていうの、
なんだかすごく分かるなあ。
ノーベル賞に限りなく接近していると思われる大作家の執筆スタイルに、
共感を覚えると書くのは、かなーり憚られたりしますが(笑)、
ある程度長さのあるものは籠った状態で書きたいです。

書いている時は取材の予定を入れないし、電話もシャットアウト。
人と話したりすると、書ける状態に自分をもって行くのに
けっこう時間がかかってしまって、それだけでくたびれる超へたれです。
ちょこっと友だちとおしゃべりをしたり、短時間お出かけしたりするのが
いいブレイクになる方も多いと思うので、
「なにいってんだ、この人」って思われることも、若い時はあったような気がする。

そういう意味では理解されにくいし、我ながら不器用だなと思うものの、
いろんなことを平行しながらやるのはやっぱり苦手。
トシを食った今となっては
親しくつき合っている友人のほとんどが似たり寄ったりなので、
類は友…ってホントですよ。マイノリティが固まってるか(笑)。

で、『考える人 2010年夏号』の話に戻りますと、
雑誌が出たのは3ヶ月以上前になるようなので、
amazonではマーケットプレイスのused本だけになってます。

村上春樹がお好きで未読なようでしたら、読み応えがあるのでおすすめします。
微妙にプレミアがつきはじめているのが気になりますが〜。
あと、今月末に文藝春秋から13年分のインタビューを編んだ
夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』も刊行されるようです。
こちらもチェックですかしらね。


*追記*
「札幌では未だ、書店平積みですよー!」という情報を、
tomo_bluemoonさんからいただきました。
amazonで品切れ=リアルの本屋さんでも売り切れ
と短絡的に考えちゃっておりましたが、流通在庫は意外に多いかも。
興味のある方は、ぜひご近所の書店をチェックしてみてくださいましね。
本屋さんの応援にもなるし〜。