本の畑

えっちらおっちら耕す、本やら何やらの畑。情報は芋蔓のように地下でつながっている。たぶん

むさぼる男


トートツな場所でもぐもぐ食べ続けていた謎の女子を2度ほどレポートしたところ、
最も親しいライターであるgyuuhiさんから、コメントをいただきました。
鬼気迫るというか、迫力がみなぎるすんごいケース。
ぜひ皆さんに読んでいただきたいので、転載しますよん。

***

「女」じゃないんだけど、いままでで一番びっくりした「食べる人」は、
道を歩きながら、コンビニで買ったとおぼしきナポリタン(の容器)を手に持ち、
フォークも何も使わずに、口で直接スパゲティをすすっていたサラリーマン。
口の周りがケチャップで真っ赤でした。一瞬、何かの冗談かと…。
ホントの話だよん。格好はきわめて普通だったのがまた恐くてねえ。


***

ナポリタン、すすりながら食べるものですか。
コンビニで箸なりフォークなり、もらえるだろうに。
というか、パッケージにテープでくっ付いてないか、普通。
それを顔面から突撃して食べるとは。
野獣もとい、ビースト食いと命名せねばね。
おにぎりや菓子パンを静かに食べていた女子が、愛らしい小動物のように思えてきましたわ。

これには後日談もあって、
gyuuhiさんターミナル駅の超大型書店に取材に行ったところ、
「売り場に惣菜を食べながらやってくるサラリーマン風の男がいて困る」
という話を広報さんから聞いたそうです。
ヤマ勘ですが、同じ人な気がする。

ビースト食いの男性がこわーいのは何故なのか。
ポイントを整理すると


  • 歩きながらトレイに入った食べ物を食べている
  • 箸やフォークを使っていない
  • 口の周りがケチャップで真っ赤

う〜ん。どう考えても彼の目的は、空腹を満たすことではなく、
人をぎょっとさせるようなことをわざとして、己に注目を集めることでしょうね。
裸身の上にコートを羽織って、
若い女子が来たとみると「ばっ」とコートを広げて中を強制的に見せる
古典的なチカン野郎に近い感じがする。
三者にからむような、過剰な意思のようなものを感じます。いやはや不気味。

口直し(?)にちっと可愛いエピソードも。
日本橋の老舗百貨店の広報さんからずいぶん前に聞いたんですが、
「食品売り場に毎日カメを連れてお買い物に来る、
近所のお金持ちのおじいさんがいる」んだそうです。
食品衛生上、ペットを連れての入店はNGなので、
スタッフのみなさんがお困りのようでしたが、名物にもなっていた模様。
これは、ちょっと見てみたかった(笑)。


*芋蔓本*

  • スパゲッティ男の怖さを中和するために、片岡義男がスパゲッティ・ナポリタンへの愛を綴った「ナポリへの道」(東京書籍)などいかがでしょう。