本の畑

えっちらおっちら耕す、本やら何やらの畑。情報は芋蔓のように地下でつながっている。たぶん

食べる女 その1

目を皿のようにしてヘンな人やヘンな事例を探しているわけじゃないんですが、
たまーに目の前に「こいつはなんじゃ」っていう雰囲気の
謎な人やモノが現れる時があります。
「えええっ〜?」と思わず声が出るほどおかしいわけでもないし、
わりといつもぼんやりしている方なので
目の前のそれと積極的に交流する意欲や興味もなかったりします。

でも、妙に忘れられなかったり、
忘れるのが惜しいと思ったりするんですわ。
あわーい遭遇ってやつを、
思い出し笑いのネタとして取っておきたい、みたいな感じですかね(笑)。

先だって午後の半端な時間の駅のホームで、
思わず目が吸い寄せられてしまったのが、電車待ちをしていた20代と思しき女子。
見るからにおしゃれに力を入れていますってほどじゃないけど、
Tシャツにスカート、ウエッジのサンダル、左肩に大きめのショルダーバッグで、
そこそこおしゃれな雰囲気。

まあ、この暑さですからおしゃれにも限界(?)があるですね。
ピンクのTシャツや他のアイテムの色使いから見て、
わりと甘いテイストがお好みのよう。
夕方近い時間だったので学生かな〜、って思いましたよ。

で、この女子がホームに立ったまま両手でおにぎりを持って、
黙々と食べてるんだな。
目線は反対側のホームにじっと注がれているんだけど、
特定のものを見ている様子ではない。
立ったままもぐもぐ。ゆっくり咀嚼中。

「お腹がすいていたのね〜」と思ったんだけど、
彼女のおにぎりはコンビニのやつじゃなく、ラップで包んだ手作り。
食べる時間がないほど忙しかったら、普通、手作りのおにぎりは持ってないよなあ。

で、おにぎりを作る時間があるなら
ホームで食べなくていいようにも思うし、
がらがらでいくらでも空席のある時間帯だったんで
ベンチに座った方が食べることに集中できると思うんだけど。

彼女は立ち食いが趣味なのか。
いや、その前におにぎりを作ったのは誰なのか。
なぜ、あらぬ方向を見ていたのか。
食べることを楽しんでいる風でもなかったんだな〜。
いろいろなぞ。