本の畑

えっちらおっちら耕す、本やら何やらの畑。情報は芋蔓のように地下でつながっている。たぶん

秋海棠


談話のまとめ仕事にかまけているうちに、
フォルダに画像がたまってしまいましたわ。
少しまとめてアップしようと思います〜。
家の中は散らかり放題で目も当てられない状況なので、
フォルダの中くらいすっきりしたいもんです。


淡めの赤(ピンクといった方がいいのかな)
の花が咲き始めているのは、
ベゴニアの仲間であるシュウカイドウ。
いつもの公園の園路沿いに植えられています。

ずいぶん昔にここの公園は、
自然林を残す形で整備されたらしく、
10メートルを超える樹高の木がたくさん茂っています。
緑陰も濃く、この暑さの中でも、
やたらと照り返すアスファルトの道路なんかと比べるとひんやり〜。
ぼんやりしてるとヤブ蚊に食われるけど。
日陰にも湿潤にも強い」シュウカイドウには、ぴったりの場所でしょう。


島崎藤村の「雲のゆくえ」という詩に
シュウカイドウの名が出てきますわ。

庭にたちいでたゞひとり

秋海棠の花を分け

空ながむれば行く雲の

更に秘密を開くかな

島崎藤村、あんまり好きじゃないんだけど(笑)、
この詩だけは覚えているんだなあ。不思議だ。
文学史の年表に必ず出てくる島崎ですが、
ういういしい恋の詩のイメージとはギャップのある
がっつり肉食系のお人柄だったらしく、
嵐山光三郎の「文人悪食」 (新潮文庫)にこゆーいエピソードが。

恋をうたっていても相手が空中に拡散してゆくような、
とらえどころのない立原道造とは
全然キャラが違うんですわねえ。