本の畑

えっちらおっちら耕す、本やら何やらの畑。情報は芋蔓のように地下でつながっている。たぶん

アカンサス

家から一番近い公園(記事は6/23)で撮った、
満開、もといややしおれかけのアカンサス(キツネノマゴ科ハアザミ属)。
和名はハアザミで、茎も葉も花もトゲトゲしていて痛そうな感じです。
ぱっと目を引く色の華やかさはないんだけど、
2メートル近くまで育つ草丈と株の大きさから、妙な存在感があるです。


ギリシア建築を特徴づける円柱と梁の構成法(オーダー)に
このギザギザした葉っぱが採用されておりまして、
アカンサスといえばコリント式だそうです。
(リンクはwikiに貼ってあります。画像もあります)
最も有名なのがローマのパンテオンらしいんですが、
見に行ったはずなんだけど全く記憶にない(笑)。

ローマのパンテオンは地面からドームまで40メートルを超える高さがあるので、
柱の装飾の位置も推して知るべし。
普通のニンゲンの目にはよく分からないと思われます。
日本の寺社建築もそうだけど、
この手の建物は人のためではなくカミサマのために設計されているので
並外れたスケール感になるんでしょうなあ。

余談ですが、建築家の自邸のお庭にアカンサスが植えられてることって、
とっても多いんです。
歴史的な背景やストーリーが、
彼らにアカンサスを選ばせるのかもしれんですね。

*芋蔓映像*

特にアクション映画のファンというわけじゃないんですが、威圧的で圧倒的な柱の数々がでてくるのがスティーヴン・セガール主演の「ICHIGEKI / 一撃」(監督 レオン・ポーチ)。フロイトよろしく性的なメタファーと読んでしまうのはつまらないなあ、と思っていたら藤原惠洋(現九州大学大学院教授)氏がこんなことを書かれてました。

  • 立ち並ぶ列柱こそ、林立する神の森の樹木を表し、各オーダーの差異を最もよく語る柱頭(キャピタル)装飾こそその樹種を分たつものとされる。月刊DREAM No.275号(87年6月)p23

森の象徴ならば、パークレンジャーという設定の主人公が、ひっそり独り住む冒頭の森のシーンとすんなり結びつくな。なるほど。