本の畑

えっちらおっちら耕す、本やら何やらの畑。情報は芋蔓のように地下でつながっている。たぶん

つねこ的ユーモア*ウエハースの椅子

江國香織『ウエハースの椅子』ハルキ文庫、読了。
明るい退廃を描かせたら、ホントに江國香織ってうまいですね〜。
物憂く優雅なおハナシを見事に書き切る腕の確かさ。
安心して、どっぷり浸かれます(笑)。


  • ガードレールの一カ所へこんだ道があり、私たちはそのへこみに名前をつけていた。つねこ、という名前だ。私たちは、その名前がそのへこみにぴったりだと考えていた。一人でちゃんと立っている。でも少し不幸な、つねこに私たちは指をすべらせた。p28

妙に冴えたユーモアも好きだな。